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鴎 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

』(かもめ)は、太宰治の短編小説。

概要

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初出 『知性』1940年1月号
単行本 皮膚と心』(竹村書房、1940年4月20日)
執筆時期 1939年11月25、26日~11月30日頃(推定)[1]
原稿用紙 30枚

作品集『皮膚と心』に収録されたのち、『風の便り』(利根書房、1942年4月16日)に再録された。

作中に出てくる、戦地から小説を送る兵隊とは田中英光のこと。田中は「山西省黄河辺を泥と汗と血塗れになつてさまよい歩いていた」[2]ときに小説「鍋鶴」を書いて太宰に郵送した。「鍋鶴」は『若草』1939年5月号に掲載された。

美知子は次のように述べている[3]

初夏の頃太宰と町の本屋に入って、私が店頭の『若草』を手にとってみると、田中英光さんの『鍋鶴』が載っていた。前に戦地から送ってきた田中さんの米粒のような細字の原稿を太宰の言いつけで清書して『若草』編集部宛送った、それが載っていたのだから、私は思わず、はしゃいだ声を出して太宰に知らせた。喜ぶかと思いの外、太宰はニコリともせず、一言も口をきかず、その横顔のきびしかったこと――未だにそのときの彼の気持ははっきりわからないのであるが、つまりは作家は太宰治しかいないと思っていなくてはいけないということだったのだろうか。

文中、『マタイによる福音書』6章25節の途中から26節までが引用されている。

あらすじ

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脚注

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  1. ^ 『太宰治全集 第3巻』筑摩書房、1989年10月25日、418頁。解題(山内祥史)より。
  2. ^ 『太宰治(自叙伝全集)』文潮社、1948年10月10日所収。田中英光「正義と微笑」の項より。
  3. ^ 津島美知子「御崎町」『回想の太宰治』講談社講談社文芸文庫 ; つH1〉、2008年3月、28頁。ISBN 9784062900072 

関連項目

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外部リンク

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